ねんきん定期便 あるある
年金相談の際に顧客が持参する資料は、一般的には「ねんきん定期便」となります。
(事前に年金事務所に行かれた方であれば、出力データになりますが・・・)
本当に色々な方がいらっしゃいます。「ねんきん定期便」を見ればその方の性格もわかるのではないかと思われます。
- 全て破棄してしまって、1通も残っていない人(今度来たのは絶対に捨てないでね!)
- 今迄到着したものをきちんとファイリングして持参する人
- 全て未開封のまま持参して、どれが最新で、捨てていいのはどれ?の相談から始まる人
- 自分で計算したものと全然違う!金額が間違っている!と主張する人
2021年度の「ねんきん定期便」の変更点をみなさんは把握されていますか?
2022年度の改正点ばかり注目してしまって、今年のことをおざなりにしていませんか?
ねんきん定期便 2021
50歳以上の人に届くねんきん定期便には、現在の加入条件で60歳まで加入し続けた場合の老齢年金の見込額(年額)が記載されていますが、従来(2020年度まで)は、厚生年金基金から支給される額(厚生年金基金の代行部分)を除いて算出されていました。
2021年度の「ねんきん定期便」は、厚生年金基金の代行部分も含めて算出されます。
具体的には「一般厚生年金期間」の「報酬比例部分」に、厚生年金基金の代行部分を含めた額が記載されます。
先に例示した、金額が違っているんじゃないか?と疑念を持たれた方の内、ごく一部の方は、厚生年金基金の代行部分が除かれている場合がありましたが、今回その方はいきなり増額となり、再度ビックリということになり、一喜一憂されることでしょう。
但し、厚生年金基金の存続しているケースはご存じの通り稀有であり、ほとんど代行返上や解散しているのが実態です。対象者の相談を受けるケースは少ないでしょうが、注意しておく必要があります。
企業年金への類推を期待
「ねんきん定期便」に初めて「厚生年金基金」の記述がされたことは小さな一歩ですが、『※一般厚生年金期間の報酬比例部分には、厚生年金基金の代行部分を含んでいます。』の表現では、どれだけの方が理解できるでしょうか?(特に「代行部分」)
昨年度の「ねんきん定期便」と比較して、金額に疑問を持たれる方がどれほどいるでしょうか?
ただ単純に1年経過したから、金額が増えたと思うのが普通です。
「厚生年金基金」から形態を変えて「企業年金」となっている事例が多いですが、年金の請求手続きに「企業年金連合会」への照会を組入れる必要があります。
今回の「厚生年金基金」の表示を見て、自分に顧みて「厚生年金基金」に加入していたんじゃないか? と宙に浮いた企業年金にならない行動を期待したいところです。